【LIVE REPORT】Royz、「歪んだラブソングツアー」と称したSUMMER ONEMAN TOUR「地獄京」、ツアーファイナル開催。

Royz SUMMER ONEMAN TOUR 「地獄京」-TOUR FINAL- 8/24(Thu.)Zepp Shinjuku

Royzが、7月から13公演に渡り行ってきたSUMMER ONEMAN TOUR「地獄京」のツアーファイナル公演を、8月24日にZepp Shinjukuにて開催した。本公演のオフィシャルレポートをお届けする。

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昨今のRoyzから感じられるただならぬ気迫の源は、メンバーの士気の高さにある。もちろん、これまでもそれが無かったというわけではない。しかし現在の彼らは、幾度とあったターニングポイントからの奮起を経て、Royzが在るべき理想の形へ向かって急速に進化をしていることを心底楽しんでいるようでもある。その姿を“より多くの人に見て欲しい”と思うのは当然で、結果、今回のワンマンツアーは全公演ペアチケット制度を導入し、ツアーへの参加特典SPECIAL LIVEを用意するなど企画が盛りだくさんだった。

“地獄で会いましょう”という、インパクトのあるサビの一節が印象的な「AMON」。各地でオープニングを飾り、今ツアーの基軸となっていたこの曲が、“地獄”という一見不穏な印象を抱かせる言葉を用いてでもRoyzが伝えたいメッセージの重要なカギを握っていた。実際にライブでは、昴の地鳴りのようなシャウトと共に高ぶる感情をさらけ出し、時に荘厳さを帯びる情景は、まるで禁断の儀式のようだった。「『地獄京』へ、ようこそ」と続いた「Autocracy〜ワルツとナイフ〜」、「PANDEMIC」へと一気に畳みかけると、「堕ちるところまで落ちようか、東京!」という言葉通り徐々に奈落へと足を踏み入れていくような重厚な空気感が漂う。容赦のない轟音にも負けない観客の声や、たちまち広がるヘッドバンギングの嵐も圧倒的で、その壮観な様子を昴は凛として見渡していた。

智也が刻みだしたリズムを受けて、昴が「消し去っても消せない程の理屈を超えた時間を刻みつけます」と宣言すると、雄大な「KAMIKAZE」の迫力ある和旋律に続き、アカペラで惹きつけて、公大のスラップベースが炸裂した「クロアゲハ」でヒートアップ。「キュートアグレッション」では、ゴシックなサウンドに乗せて観客が狂気乱舞を見せた。途中“壊してぇな”を“新宿の声聞きてぇな”と歌い変え、演奏がストップした途端にこだましたメンバーを呼ぶ声こそ、偏愛な世界観を表す象徴ともいえる。さらに、中指を立てながら感情赴くままに叫んだ「Satisfy?」と続けば、痛快な一体感も生まれていた。

青黒い海の底へ沈んでいくような水の音に包まれると、ベースの重低音がそれを切り裂くように「深海」へ。ダウナーな空気を醸し出し、その場面が空へと変わった「月光」に続いてもなお、想像し得る情景は光の届かない暗闇。この2曲に共通しているのは、暗闇から“光”を求め続ける静かにほとばしる貪欲さだ。その闇を乗り越えた先、「共に行こう、夜明けへ」と誘った「Daybreaker」。“闇”を乗り越え、“光”を見出した者が強さを手にする、実にリアリティなヒューマンドラマを見せるかのような見事なセクションだった。これが出来たのはきっと、この一連の経験をRoyz自らが経験したからにほかならない。

この先はもう、繰り出される音楽を思うがままに体感していくのみ。メンバーがニヤついてしまうほどに暴れ狂った「Killing Joke」を皮切りにクライマックスへ突入。昴が衣装のフードを被って邪悪さを演出し、けたたましい爆音の中で観客がステージめがけて詰め寄る逆ダイブを起こした「DANCE WITH DEVIL」。さらに、「地獄の向こう側へ行こう……その先へ行こう……!」と、「阿修羅」では文字通り規格外のライブ感を生み出した。そんなカオスな状況の中でも、時折演奏陣が内側へ向き合って足並みを揃える様子が伺えた。その様子は本編中に高頻度で起こっていたが、率先してそのタイミングを作っていたのは杙凪だったように思う。ギタリストとしての魅力も増すばかりの彼は、多方面において頼もしい存在となっている。

こうして、“死に場所”という言葉で表した、全身全霊を尽くせるものを熱く届けた「RAIZIN」が締めくくった。攻撃的な楽曲をメインにノンストップに攻めた本編は、最新作「AMON」を軸にしたタームで確立したRoyzの神格化した存在感を見せつけるものでもあった。

ここで、[Royzの今後について]と題した映像にて、最新情報が発表された。新たなリリースはないとしながらも、暴れ曲限定で行う冬ツアー『暴歌限定行脚「地獄愛」』と、“暴歌”というアバンギャルドなツアーにふさわしい赤い特攻服をモチーフにした新衣装を纏った新ヴィジュアルも公開。新衣装は、6月に行われたFC限定ライブ『「ろいずの日。」~翼会関東支部総会~』で着用したものをリメイクしたものだという。さらに、恒例のハロウィンライブや、2024年も年明けワンマン2days、2月には昴の生誕祭も発表された。

再びステージへメンバーが姿を現し、アンコールへ。「Sly」をはじめ、全7曲のうち夏祭りを思わせるこの季節にぴったりな「恋花火」や、かつてバンド活動を航海に例えてメッセージを記した「NOAH」を披露。

「今回のツアーは特に、自分たちがこれからどうなりたいか、何を目指していきたいかをより強く口に出してきたツアーでした。ここで終わりにするんじゃなくて、この先に連れていけるかは俺たちの腕にかかってると思ってる。でも、その自信があった。その意思に付き合ってくれて、意図をくみ取ってくれたみんな、ありがとうございました」

こう伝えた後、昴は、バンド活動を続けることは容易ではないことがわかっているからこそ、「バンドはこのRoyzで一回きり」として、こう続けた。

「でも、その人生(大変なバンド人生)選んでるんやったら絶対に、男として、ミュージシャンとして、絶対に日本武道館に立ってやりたいと思ってます!」

“特別”な未来への野望を叶えられるヴィジョンがある、叶えていきたいと誓って届けた「花鳥風月」では一面にRoyzスティックが灯り、その絶景を直前に言霊にして目指す大舞台でも再現しようと約束した。そんなエモーショナルな空間に似合う次なる曲は、純粋な決意と絆を、手をつないで揺れる観客と共に再確認できる「ACROSS WORLD」が相応しい。思えば、メンバーさえもステージ上でじゃれ合いながら“青さ”を共有していたこの曲を演奏するメンバーが、いつしか頼もしく、逞しく、大きく見えるようになった。この日も、もちろん……いや、これまで以上にそう見えたかもしれない。ライヴのエンディングに、観る者の胸を熱く滾らせる彼と改めて夢を見たい、そう思った。

「地獄京」ツアーを、昴は「歪んだラブソングツアー」と話した。その片鱗は、「RAIZIN」を演奏前に「“愛するあなたたち”と見たいものも、見せたいものもありすぎる」と、かみしめるように声に出していた場面にも表れていた。「地獄京」という強い字面のタイトルを用いた真意は、「AMON」の歌詞にもある通り“地獄で愛しあおう”に準えた、究極の愛情表現だった。今回のツアーで素直な気持ちをさらけ出してきた彼らは、胸を張ってファンにも、メンバーにも“愛”を口に出来るようになったからこそ、「地獄京」と並んでもう一つの候補でもあったという「地獄愛」を堂々と掲げて次回のツアーへ挑む。

自分たちの戦い方を見出して、いわば無双モードに突入しているといっても過言ではないRoyzは、リアルタイムに起こるモチベーションを大切にしながら、これからもまっすぐに進むべき道を切り開いていく。

レポート・文◎平井綾子

写真◎Tanabe Keiko

(セットリスト)

1.AMON

2.Autocracy〜ワルツとナイフ〜

3.PANDEMIC

4.KAMIKAZE

5.クロアゲハ

6.キュートアグレッション

7.Satisfy?

8.深海

9.月光

10.Daybreaker

11.Killing Joke

12.DANCE WITH DEVIL

13.阿修羅

14.RAIZIN

EN-1.Sly

EN-2.丸の内ミゼラブル

EN-3.恋花火

EN-4.NOAH

EN-5.AFTER LIFE

EN-6.花鳥風月

EN-7.ACROSS WORLD

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Royz 暴歌限定行脚 「地獄愛」

2023年

11月03日(金・祝)【千葉】柏PALOOZA

11月04日(土)  【埼玉】HEAVEN’S ROCK さいたま新都心 VJ-3

11月12日(日)   【宮城】SENDAI CLUB JUNK BOX

11月15日(水)   【石川】金沢AZ

11月18日(土)   【山梨】甲府CONVICTION

11月19日(日)   【長野】NAGANO CLUB JUNK BOX

11月23日(木・祝)【静岡】浜松窓枠

11月26日(日)   【愛知】名古屋SPADE BOX

11月28日(火)   【京都】KYOTO MUSE

11月30日(木)   【岡山】岡山IMAGE

12月02日(土)   【兵庫】神戸VARIT.

12月03日(日)   【滋賀】滋賀U★STONE

12月07日(木)   【福岡】福岡DRUM Be-1

12月10日(日)   【広島】広島SECOND CRUTCH

12月12日(火)   【香川】高松DIME

12月17日(日)   【大阪】梅田バナナホール

-TOUR FINAL-

12月25日(月)   【東京】神田スクエアホール

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【チケット販売期間】

FC先行受付期間:2023年8月25日(金)18:00~9月10日(日)23:59
https://www.royz-fc.com/

チケット一般発売日:2023年10月7日(土)10:00~
https://eplus.jp/

【チケット料金】

【全国】前売り¥5,500 (税込)/当日¥6,000 (税込)

【東京】前売り¥6,500 (税込)/当日¥7,000 (税込)

※各会場ドリンク代別途

【開場/開演】

<FINAL/東京>17:30/18:30

<千葉・埼玉・石川・京都・岡山・福岡・香川>17:15/18:00

<宮城・山梨・長野・静岡・愛知・兵庫・滋賀・広島・大阪>16:15/17:00

Royz Special Live「†Halloween Party2023†」

2023年10月28日(土)【千葉】柏PALOOZA

【開場/開演】16:15/17:00

【チケット販売期間】

FC先行受付期間:2023年8月25日(金)18:00~9月10日(日)23:59
https://www.royz-fc.com/

チケット一般発売日:2023年10月7日(土)10:00~
https://eplus.jp/

【チケット料金】

前売り¥5,500 (税込)/当日¥6,000 (税込)

※ドリンク代別途

【問】柏PALOOZA/04-7136-2111

Royz ONEMAN LIVE 

2024年1月27日(土)【東京】SHIBUYA REX

2024年1月28日(日)【東京】SHIBUYA REX

【チケット販売期間】

FC先行受付期間:2023年11月27日(月)12:00~12月10日(日)23:59
https://www.royz-fc.com/

チケット一般発売日:2024年1月13日(土)10:00~
https://eplus.jp/

【開場/開演】16:15/17:00

前売り¥5,500 (税込)/当日¥6,000 (税込)

※ドリンク代別途

【問】SHIBUYA REX/03-5728-4911

Royz ONEMAN LIVE 「昴生誕祭〜スバフェス2024〜」

~今年は週末にしたからいっぱい祝いに来てなの巻~

2024年2月18日【神奈川】川崎CLUB CITTA′

【チケット販売期間】

FC先行受付期間:2023年11月27日(月)12:00~12月10日(日)23:59
https://www.royz-fc.com/

チケット一般発売日:2024年1月13日(土)10:00~
https://eplus.jp/

【開場/開演】16:00/17:00

前売り¥5,500 (税込)/当日¥6,000 (税込)

※ドリンク代別途

【問】川崎CLUB CITTA′/044-246-8888